
2018年話題のBLドラマ『ポルノグラファー』の木島の過去の話。『ポルノグラファー』が”再起”だとすれば、「切ない、辛い」そんな言葉では語りつくせない、”人生”を描いた作品が『インディゴの気分』です。木島が大学生の久住(くずみ)と出会う前に、官能小説の編集者城戸と一体何があったのでしょう?木島の過去の物語を分かりやすくまとめてみました!
インディゴの意味は?
まず気になるタイトルの「インディゴ」ですが、インディゴとは色を表す言葉で、青より濃ゆい藍色のことを指します。
ブルーな気分なんて表現しますが、それよりも上のもっとどんよりと重く鈍い気分を現したタイトルなのではないでしょうか?
もしくは、青春は青い春と書きますが、大人になって青を通り越しもっと濃ゆい青と言う意味かなとも個人的には思いました。
ストーリーは?
『ポルノグラファー』でも登場する官能小説の編集者で、木島の大学の同級生でもある城戸。
城戸は木島の合鍵を持っていたり、なにやら親密な感じもあり、久住が気になりヤキモチを焼いていましたね。
実は二人には、同級生、編集者と作家と言う関係よりもっと深い関係が過去にあったのです。
大学時代二人は同じゼミに入っていて、研究発表を一緒にしたり、女性トラブルなんかもあった模様です。
また木島は大学の教授から気に入られており、在学中に大きな賞を取り、作品は映画化までされていました。
一方城戸も同じく作家志望でしたが、木島の受賞作に打ちのめされて自分の道は閉ざしてしまいました。自分が欲しかった才能を他人に見せつけられて、自分の小ささを知ってしまった時の無気力さは多かれ少なかれ誰しも感じたことあるんじゃないでしょうか、この時の歪んだ思いが後に大きな影響を及ぼすのです。
そんなこんなで時は流れ、恩師の訃報を受け、お葬式で再会します。
その時の二人の状況は、木島は出版社と決別し、借金もあり生活に困っており、
城戸は結婚しようと思ってた彼女に、ポルノ小説の仕事やめないなら別れると追い出されている状況でした。
かつて憧れていた作家の木島の姿はなく、城戸は木島に蒲生田先生に弟子入りして自分の雑誌のポルノ小説を書かせる策略を練ります。
蒲生田先生は有名な先生で自作が遺作になるとされていて、城戸は社長にそれがうまくいけば別の会社を紹介すると言われ、木島をうまく利用して彼女と寄りを戻せるかもと言う期待と、この男をぐちゃぐちゃにしてやりたいと言う実はとってもダークな野望で木島に話を持ち掛けます。
そしてなんと木島の初恋の相手は城戸でした。
それに、小説家としてやっていきたい気持ちで木島は引き受けます。
蒲生田先生の小説は実地で試したものでした。
そしてはじめ蒲生田先生は弟子入りには女性が来るものだと思って男性が来たことに怒っていましたが、木島は先生と一線を越え契約を取ります。
また身体の弱った先生を献身的に世話もしています。
そんな時に、城戸は彼女と寄りを戻し、新しい会社すら紹介されようとしています。
金がほしい、地位がほしい、名誉がほしい、世間に認められたい、親に喜んでもらいたいそんな人の欲望で渦巻いている城戸。でも、世の中の人は大抵そうなのではないでしょうか?引かれたレールに乗ると言うか。
でも本当は城戸は、世間体なんて気にせずまっすぐに生きていて、やりたいことをやって、父親の反対もおしのけて、小説家になった木島さが羨ましくて、妬ましくて、尊敬していて、恋しかったのです!

複雑な心情ですね!でも思いっ切りダークだと思っていた城戸さんの本音がわかり嬉しいと言うか、切ない両想いと言うか。
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結末は?
この時の彼女とは別れ、新しい会社の紹介も断わり木島の編集者であり続けた城戸ですが、結局は別の女性と結婚し、子供も授かります。
天才肌の木島に嫉妬と憧れを抱きつつまともの範囲を一脱できない城戸がリアルで共感しちゃうとこではないかと思います。
一方、木島はまた小説が書けなくなっています。(木島がエロいシーンを書く原動力は城戸さんだったんだからそりゃそうですね)
そして城戸は「胸のどこかにずっと…小さな炎が燻っているのだあの頃 あの日々に燃やし尽くせなかったから多分一生消えない」と言っています。
結婚しても、子供ができても、城戸はずっと心の中から木島がいなくなることはないんでしょうね。同じく木島もそうだと思います。
とてもほろ苦いハッピーエンドですが、城戸の現実を選ぶ生き方にも共感してしまいますし、この物語があるからこそ『ポルノグラファー』があると思うと、あながちバッドエンドではないと思います!
こちらの作品もいつか是非ドラマ化されてほしいですね♪